Leica Cyclone 3DRのスクリプト機能
レーザースキャナーのデータ処理の汎用性を拡張
3DReshaper は、Leica Cyclone 3DR に生まれ変わりました。3DRは Leica Cyclone シリーズの一部となり、モバイル端末上の Leica Cyclone FIELD 360 でデータの取得を行い、Leica Cyclone REGISTER 360 でデータを合成し、Leica Cyclone 3DR で最終的な成果物の作成を行えます。
Cyclone シリーズのシンプルで次世代型のソフトウェアを基に設計された Cyclone 3DR は、初めての方でもそうでない方でも、直感的にインポートから分析、パブリッシュまでの操作を容易におこなえるようになります。共通のタスクを自動化することで予期せぬプロジェクトの遅延を減らし、必要な情報をすぐにクライアントへ渡すことができるようになります。
Cyclone 3DR は Leica JetStream の技術を融合し、一元化されたフルスケールの点群データ管理システムを提供します。測量、建設、点検業務用に特化した機能を備えた1つのシンプルなワークフローベースのソフトウェアで、自動化された点群分析とモデリング機能を提供します。 現在市場に出回っている多くのソフトウェアは特別な成果物を作成するために一つのワークフローにしか重点を置いていませんが、Cyclone 3DR には様々な種類の3Dデータの成果物とレポートを作成するために活用できる、点検とメッシュ作成のための幅広い機能を網羅しています。
3DReshaper から Cyclone 3DR に移管された重要な技術の1つはスクリプト機能です。これにより、すべてのユーザーが、高頻度のタスクの自動化、カスタマイズされたワークフローの作成など、複雑な課題を解決するシンプルなソリューションをカスタマイズ作成し、ソフトの主要機能だけではカバーしきれない特定のニーズに応えるために、新しいデータ処理アルゴリズムを作成できます。この機能の威力を示すスクリプト例の一つは、樹木の葉の量を取得するための樹木測量データの自動メッシュ化です。様々な木の3D形状が複雑であるため、多くの場合、異なる様々なアルゴリズムを使用する必要があります。樹木数、樹高、樹冠面積、樹冠体積を計算するカスタムスクリプトを設計作成することにより、ユーザーは定義された領域内のすべての樹木の測量データ作成を自動化できます。この特異な用途固有のワークフローは、Cyclone 3DR の既成の機能では行えませんが、Cyclone 3DR の柔軟なツール機能群を簡単にカスタマイズして、様々な関係者のニーズに対応し、発生する可能性がある地域別のニーズも組み込み対応することができます。
樹木のメッシュ化の参考図。左がインプットした点群、右がスクリプトコードです。
画像中央の緑色で表示されている部分は、ユーザーインターフェースで次々に実行できるセクションカットです。 そして、これらすべての個々のセクションを結合したものが金色のメッシュです(手順を何度も繰り返せば、ソフトウェア内でも再現可能です)。
Cyclone 3DR のすべての機能は、JavaScript で書かれたプログラムで使用できます。 JavaScript はもともとはブラウザ用言語として開発されましたが、現在は JavaScript エンジンと呼ばれる特別なプログラムを組み込んだ Cyclone 3DR など、他の多くの環境で使用されています。 JavaScript は初心者でも非常に馴染みやすいプログラミング言語であり、自己学習できる優れたWebサイトが多くあるため、熟練の開発者を必要としません。おすすめの1つは、https://www.w3schools.com/js/ です。 これ以外では、ユーザーはデフォルトでインストールされている Cyclone 3DRヘルプセンターで提供しているいくつかの無料サンプルを編集すれば、簡単に自動化タスクの作成を開始できます。
Cyclone 3DR では、縁石や電線抽出などのいくつかのプリインストールされたスクリプトを提供しています。 ダウンロードまたはお気に入りに追加できる共有可能で編集可能なスクリプトです。これらは、線路の抽出、Cyclone 3DR で同時に開いているセッションで* .3drプロジェクトのインポート、保存された線形マトリックスの再生、取得した点群やメッシュ化した樹木のデータに条件付きで色付けをして体積を推測するために役立ちます。お客様自身のプログラミングまたは共有プラットフォーム(https://github.com/Cyclone3DR/Scripts)から、お気に入りのスクリプトを追加できます。
スクリプトの中にはパラメータの入力や点の指定が必要なものもありますが、スクリプトプラグインを使用すれば、ソフトウェアのGUIの外部にあるコマンドラインから直接 JavaScript コードを実行できます。
スクリプトを使用することで Cyclone 3DR の汎用性に加えて柔軟性を高め、特定のニーズに対応したり、カスタマイズしたワークフローを作成したりすることが可能になります。一方で、他社や当社が提供する様々な3Dレーザースキャニング技術の使用場面が増えている中で、データ処理のワークフローを自動化する可能性が、品質保証や品質管理のような幅広い用途に対応するための鍵となります。
自動化の未来は目の前にあり、今後もソフトウェアの使いやすさを向上し、業務のさらなる自動化を進めていきたいと考えています。お客様は常に作業フローに基づいたニーズや要望を持っているので、成長するビジネスニーズをサポートし続けることを目指しています。
Nicolas Landrivon
Technical Sales & Support
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